泣き言を言うな!LPを作れ!
そういえばここ何年か全くCDを買っていない。
最近はいちいちCDを買って、iTunesに入れて持って歩くというのが面倒になったという事もあり、
もっぱらスマホの定額配信サービスに頼りっぱなしの怠けものになってしまった。
中学校の頃から10年間くらい、大量のCDホルダーだった私が、ここ数年全く買ってないのだから、きっと音楽業界は困っているんだろうな~、なんて思っていたらやっぱり困っている!ああ大変!
とはいえ、困ってるからCDを買ってくれっていうのも「ウチの会社は倒産しそうだから、ウチの製品を買ってくれ」って言っているみたいでなんかイマイチピンとこない気がする・・・
という事で、なんで売れないのかをちょっと考えてみたい。(ヒト・モノ・カネの観点で、こじつけだけど)
【ヒト】みんな音楽に興味ない?
→(多分)NO
統計的な推移が無いので何とも言えないが、
2012年の調査によると、音楽に対する本当の無関心層はわずか5%未満
【モノ】そもそも曲がダメ?
→正直、これは良く分かんない。定量的な評価が出来ない。
→YES
音楽のマーケットシェア
CD レンタル ネット有料配信 有料メディア合計
2006年 42.7% 30.0% 4.6% → 77.3%
2013年 30.7% 18.4% 10.9% → 60.0%
上記の有料メディアで音楽を聴く人は、2006年77.3%→2013年60.0%で20%以上ダウン。
ちなみに、CDバブルだった1998年と比べると、マーケット規模は約三分の一へ。
総販売枚数:1998年457百万枚→2014年170百万枚
ということで、みんなCDよりも安く音楽を聴く手段があるから、
そっちに流れているという事が考えられるのではないでしょうか。
そもそも、
CDってある意味ハンバーガーセットみたいなものではないかと思っています。
アルバムだと14曲で3,000円。
皆さんも、
「アルバムのあの一曲だけが聴きたいのに、その為に3,000円払うのか~」
と思いながら、3,000円払った事があるのではないでしょうか。
まるでハンバーガーセット600円しか売ってないハンバーガー屋ですね。
一曲単位で買える。
ハンバーガー、ポテト、ドリンクを個別販売にしたのですね。
1曲で200円。
みんな、聞きたい曲を単品で買うことが出来るようになりました。
単品でテリヤキバーガー300円が買えるようになりました。
これをマーケティング用語で言うと「アンバンドリング」となります。
分解するって意味ですね。
残念なことに、CDアルバムを作っているアーティストの人たちって、未だに
「CDアルバム一枚で一つの作品だ!」
という気持ちで、”アルバムレコーディング”をしています。(多分)
だから、個別で安く買いたい買い手と、セットである程度の金額規模を売りたい売り手に
ギャップが出てしまっていて、それが音楽界の不幸につながっているのだと思います。
ではどうすれば良いのでしょうか。
アルバムを通しで聞かざるを得ない仕組みを作ればいいのです。
そこで私が提唱するのが
「アルバムレコーディングをするなら、アナログ盤(LP)を出せ!」
です。
つまり、
家だろうが、外だろうがどこだって聞ける。
それに比べて、LPはアナログ音源なのでそもそもばら売りという概念が無い、
聴く場所だって、家でLPプレイヤーの前で、針を落として聴かなきゃならない。
そしたら必然的にアルバム全体を楽しむ事になるのではないでしょうか。
更には、
LP持っている人は音楽にとても興味のある人です。
LPまで買って音楽を聴くというのは”ニッチ”なお客様です。
そういった人は、音楽に沢山お金を使ってくれます。
現に、LPの売上は2005年から現在までほぼ同レベルの売上枚数です。(凸凹はありますが)
彼らは沢山の音楽を聴いているので、いい音楽を作れば、しっかりそれに応えてくれます。
もし、そういう人を満足させられないのなら、
”アルバムレコーディング”などやめて、一曲単位で勝負するプロの作曲家になれば良いと思います。
(秋元康的な意味です)
なので、音楽業界の皆さん、泣き言を言ってないで、
しっかり待ってくれている”ニッチ”なお客様の心に届くような、素晴らしい曲を作ってください。
そうすれば、私も今年こそLPプレイヤーを購入します。
(ここまで言って、まだ持ってなかったんかーいというツッコミが聞こえてきそうです)
よろしくどうぞ